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地方の習慣・しきたり担当研究員:岸本 武

「結納」について その4(最終回) ~考察、結納に関する未来予測~

第四回(最終回)は、考察と結納に関する未来予測をしてみます。
(レポート担当研究員:岸本 武)

【9】結納内容のエリア差はなぜ生まれたのか?

 これまで述べた通り、結納の内容は、大きく関東式、関西式、九州式に分かれており、また、本格式や略式が存在します。結納をとり行うにはそれらのエリア差がある形式を事前に取り決め、男性側、女性側双方とも、その形式に合わせなければなりません。
結納内容のエリア差は、結納が古くからの歴史を経ている儀式のため、時代を経てその土地柄やしきたり、風習に影響を受けて変化してきた結果ではないかと考えられます。

【10】時を経て変化する結納の位置づけ

 ゼクシィ結婚トレンド調査の過去の数字を見てみると、仲人を立てたカップルは首都圏でも1995年に61.7%を記録して以降減少し、1997年には52.0%、1999年には27.5%、2003年は3.8%をそれぞれ記録しました。2004年以降は1%前後しか記録しておらず、今となっては仲人を立てることは非常に少数派になっています。

 一方、結納の実施割合は、1995年に48.7%を記録、翌年1996年には52.1%を記録するもそれ以降は漸減し、1997年には51.3%、1999年には47.5%、2003年は31.3%をそれぞれ記録しました。しかしながら2004年以降はおよそ20%~30%の実施割合を維持しており、現在でも仲人を立てなくても結納はとり行われているのが分かります。

【11】結納未来予測

 結納はもともと仲人がいることが前提でとり行われていたわけですが、前述の通り、最近では仲人をほぼ立てません。
それにもかかわらず、現代でも約20%~30%の割合で結納がとり行われているのには少し驚きを感じました。しかしながら略式でも実施するこの状況は、結納が元来持っている結婚するつもりの二人あるいは家族同士の絆を深めあう、あるいはけじめをつける、というセレモニーとしての意味・意義が現代でも脈々と引き継がれているからなのだと感じました。

 結納において品々を交わす時の言葉(口上)では、「幾久しくお納めください」と述べるのに対し、「幾久しくお受けいたします」と受けます。まさに、幾久しく二人が幸せになって欲しいという気持ちが込められているのでしょう。表現は厳かですが、だからこそ二人にとっては結納という機会において身の引き締まる思いとなるに違いありません。

 これからも、結納は更に簡略化されたりして表面的には形を変えていくかもしれませんが、二人の間および両家との間で絆を深めあう、けじめをつける機会として結納がなくなるということはなく、引き続き、未来のカップル達がその意義・意味を理解し受け継いでいくことでしょう。

<参考文献、参考インターネットサイト>
・「冠婚葬祭入門」塩月弥栄子著/知恵の森文庫
・「これ1冊で結納と結婚のしきたりがわかる本」樋口眞理監修/日本文芸社
・「結納辞典」/http://www.yuinou.info/index.html
・「日本各地の結納・しきたり」/http://craft.ne.jp/yuinou/zenkoku/

担当研究員
担当研究員岸本 武(キシモト タケシ)
研究・活動テーマ
研究レポートを「ブライダルの今と昔」などで公開