リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

想いを形に- 本当のプランナーとは-

プランナーは二人の想いを託された唯一の存在
何があっても諦めず「想いを形に」を考え尽くす

日下 彩香(くさか あやか)さん
樫野倶楽部(徳島県)

徳島文理大学 人間生活学部人間生活学科 卒業
入社6年目(衣裳2年→プランナー2年→サービス2年→9月より衣裳部へ) 叔母の結婚式がきっかけで樫野倶楽部とブライダルに興味を持ち、大学では結婚式場でアルバイト後同社へ入社。趣味は同僚との弾丸旅行。

二人の想いと真剣に向き合う
たとえ伝え方が不器用であっても

 「ガーデン挙式で大切な家族である愛犬にリングドックを務めてもらいたい。ゲスト全員でバルーンリリースを」これが夢だったと話してくださった新婦。準備も順調。あとは当日を待つばかり。が、事前に晴れと確認していた天気予報がまさかの台風直撃に。「娘が結婚式の日程を変更しようか悩んでいる」とお父様からのお電話は当日の3日前のこと。私は電話を代わった新婦に「日程の変更でなく、ガーデン演出は諦めて、進行内容を変えて対応しましょう」とお話をしました。結婚式直前の日程変更では、費用の負担も増え、なにより参列できなくなるゲストがいるかもしれない。この状況をきっと理解してくれるだろう。しかし、電話口の新婦は泣いてしまいました。「泣かせてしまった」電話を切った後、悔し涙が止まりませんでした。ご提案したのは私のためのプランであって、お二人のためのプランではなかった。「お客様のために何をするのが本当のプランナーだろう?」私は、ある覚悟を決めました。
 当日2日前。新郎新婦と新婦のお母様にお越しいただくと「キャンセル料がかかっても構いません。大切な娘の結婚式、後悔させたくない」とお母様。私は「予定通り行いましょう」とお答えしました。そして、用意したお手紙を渡しました。「上手にお伝えできる自信がなかったので、お手紙にしました。5分後に戻ります。その時にお返事を聞かせて下さい」楽しみに待っているゲストのこと、全力で皆様をフォローすること、前日の夜、新婦の夢をかなえるプランを一生懸命考えたことを手紙にまとめました。部屋へ戻ると、新郎新婦とお母様は私を笑顔で迎えてくださったのです。

屋内だからこそのバルーンリリース
発想の転換で花嫁の夢を実現

 いよいよ当日。雨風が激しさを増す中、全員無事に会場へ到着。お二人がゲストに申し訳ないと気をもまれないよう、全スタッフ全力のおもてなしでカバー。タクシーを常駐させ、軒下まで傘で誘導、タオルの配布。そして、通常は使用しない別館のチャペルへは、ジャンボタクシーと手配したバスで。ここまでして別館のチャペルへ移動した理由。それは、愛犬てんちゃんがリングを届けられること、そして、その高い天井に向けてゲスト全員でのバルーンリリースができるからです。それぞれの手を離れたバルーンは天窓めざし昇ってゆきます。ハートのバルーンは二人を包む傘の様に広がり、アートのような素敵な光景に「かわいい!」とゲストの声が。二人も大きな笑顔を見せてくれました。
 ハプニングが起こったのは披露宴の最中。台風の影響か停電が発生。会場へと急ぐ私の頭は「延期した方が二人のためだったのだろうか?」と不安でいっぱいに。そして会場に着き目にしたものは。真っ暗な会場に、数々のスマートフォンのライト。それは、新郎とお母様が退場する道を照らすものでした。ゲストのひとりひとりが作る、やさしい光の道。言葉にならない想いがこみ上げました。

屋内でのバルーンリリース。ハートのバルーンと天窓、そして真っ白な天井とのコントラストに「かわいい!」「インスタ映えする!」とゲストは大盛り上がり。発想の転換が大切だとあらためて気づかされた演出になりました。
新郎とお母様の退場の場面でまさかの停電。すると小さな灯りがひとつ、またひとつ。ゲストのスマートフォンの光です。二人を、そしてその足元を優しく照らす光は、一本の道になっていました。

二人の想いを形にする
プランナーだけができること

 本当のプランナーとは?私の答えは、二人の想いを形にすること 。今までの私は、定型に沿った安全な進行表を追い求めるあまり、お客様の想いを置き去りにしていました。でも、結婚式に関わるたくさんのスタッフの中で、プランナーはお客様の想いを託された唯一の存在。最後まで諦めずに、二人のために考え尽くす。そのことを忘れずに、お二人の最高の笑顔のために、これからもプランナーを続けていきます。

評価のポイント

 プランナー誰もが経験する「雨」問題。諦めることに慣れ、いつしか新郎新婦の気持ちに鈍感になっていく。今回新婦がプランナーに求めたのは、代替案だけではなく、自分の想いに正面から向き合ってくれる姿勢だったのではないでしょうか。手紙でその決意が伝わり、全員の想いが繋がった結果、かけがえのないシーンが生まれました。トラブルを糧に成長していく、その姿勢が評価されました。

ウエディングを進化させる
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