リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

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「やりたくない」を「やりたい」に変えてゆく
結婚式の意味を考える時間を創り出した実現困難な提案

芳賀 恵理(はが りえ)さん
麗風つくばシーズンズテラス(茨城県)(所属:株式会社ディアーズ・ブレイン)

東洋大学 国際地域学部 国際観光 学科 卒業
ブライダル歴の内、2年間は人事部にて教育担当を経験。現在関東圏を横断して結婚式のプロデュースをしている他、全社視点で商品力を高める取り組みをしている。はまっているウィンドサーフィンで心と感性を磨き中。

トレンドに流されたくない
やりたくないことだらけの結婚式

 「結婚式でやりたいことはありますか?」と問うと、新郎新婦からは「やりたくないこと」が溢れ出てきました。「既存の進行や演出は絶対に嫌。トレンドっぽいのも嫌。お決まりのファーストバイトやドレスの色あてクイズもNo。お涙頂戴はもってのほか」と、正直私はお手上げ状態。しかし、接していくうちにだんだんと分かった二人の気持ち。それは「押し付けられたくない」「自分達だからこそ」の結婚式をゲストに見てもらいたいという強い想い。私のプランナー魂に火がつき、今までにやったことのない、見たことのない結婚式を提案。二人は興味津々。その中から「全部逆から始まる披露宴」と「ゲストと創るエンディングムービー」を一緒に考えてゆくことに。この、一見面白そうだが実現が困難な提案が二人にとって本当の結婚式の意味を考えるきっかけになりました。「進行が逆だと、この場面は締まらない」「やっぱり新郎挨拶は感謝の言葉をきちんと伝えられる最後でないと」さらに「やっぱり結婚式で両親へ手紙を読みたい」と、あれほどやりたくないと言っていた花嫁の手紙も行なうことに。ゲストと創るエンディングムービーは、ある友人にいたずらを仕掛け、ムービーでネタバレを披露するという計画。「いたずらを成功させるにはファーストバイトとドレス色あてクイズを利用しよう!」と逆に絶対に必要なイベントに変わりました。こうして、いつの間にか従来の結婚式に近い形に。しかし、結婚式の意味を自分達なりに理解し、自分達で見つける。二人にはこの時間がとても大切でした。

この日のために、多くの準備に時間を費やしてきた二人。押し付けられる結婚式は自分たちのものではない。二人で考えぬき、自分たちらしい結婚式を見出しました。

二人の想いが創り出した
二人にしかできない結婚式

 順調に進んでいたはずの打ち合わせに、ある事件が。映像スタッフとの打ち合わせを終えた新郎新婦から「あの内容なら、やらなくてもいい」映像スタッフがリスクを回避するために無難な代替案を提案したためです。その後のお花の打ち合わせでも過去の事例写真を用いた打ち合わせに新郎新婦は失望。「押し付けられたくない」という二人の想いに応えることができず、信頼関係が崩れてゆきました。「自分達に合った提案の仕方を考えていただけますか?」と新郎。私は「直接、お花屋さんに行きませんか?」と提案。実際のお花を手にしながら考えるスタイル。二人が自分達で考えられる環境を提供し、これに二人は大満足。次はお料理。これまでの失敗を踏まえ、二人が全体のイメージを持てるよう会場にある全てのお皿を用意。「自分達のことを良く分かってきましたね」と二人は笑顔に。担当を変えて臨んだ映像の提案も成功し、晴れやかな気持ちで当日を迎えることができたのです。たくさんの方に祝福される新郎新婦。新郎の友人へのいたずらも大成功。その様子をカメラが抑え、みごとなエンディングムービーに。やりたいけどやりたくないことばかりだったはずの結婚式。式後の二人の言葉は忘れられません。「やりたいことが全部やれてよかった!」

まさか自分の顔が光っているとは!自分だけ光らないライトで戸惑うターゲット。エンディングムービーで流れた映像を観て会場は大爆笑。今までにないパーティーになりました。

素直に謙虚に、時代と、新郎新婦と共に、変わり続けていきたい

 これまでの私は、お客様に一生懸命に提案をして「あなたのおかげです」と感謝されることが、プランナーとしてのやりがいだと感じていました。でも、この二人が望んでいたのは、「自分達で考えてやりたいことを生み出していく」そのお手伝いをすることだったのです。別に感謝をされなくてもいい。結婚式も、新郎新婦も、時代とともに変わり続けていく。二人が本当に望む形で、結婚式をつくるお手伝いをしたい。そう心から感じています。

評価のポイント

今、現場では「否定から入るお客様」はきっと珍しい存在ではない。二人に「従来のやり方」を押し付けるでなく、時に楽しみつつ、自身の考え方や手法を柔軟に変化させていく芳賀さんのスタンスは、最前線に立つすべてのプラン ナーにヒントを与えてくれる。変化を恐れず、しかし本質 を忘れない。そのことが、全てのお客様に「やりたい結婚式」を見つけていただく手助けとなるのです。

ウエディングを進化させる
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