リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

安川 美香子
浦安ブライトンホテル東京ベイ
浦安ブライトンホテル東京ベイ バンケット営業部 婚礼課 プランナー。ホテルのプランナーチームのリーダー的な存在として、自ら様々なプランニングや演出を生み出すことはもちろん、若手プランナーの良き相談役として、またプランナー以外の受注プロデューサーやパートナーの方々からの信頼も厚い頼れる存在として、ウエディングの最前線で活躍を続ける。

GOOD WEDDING AWARD(GWA)の
活用事例を探る。

GWAという機会をプランナーの方々は、日常業務の中でどのように活用しているのでしょうか?
自身のプランニングや人材育成、現場の活性化のために役立つ具体的な事例をご紹介いただきました。

GWA参加のプロセスで「エントリーシート」をどのように活用しているのか?

GWAへのエントリーは、立ち止まって自分を振り返ること。
その時間が、一つの事例を「自分の実績」に変えていくのです。

 私たちの職場では、月に1度プランナー同士のミーティングを実施しています。その流れでGWAへのエントリーがある5月の時期に、各プランナーが、それぞれ自分がGOOD WEDDINGと思う事例を「ミニエントリーシート」に記入し、その内容を発表し合って共有しています。このミニエントリーシートとは、実際のGWAのエントリーシートをアレンジして作成しているものです。「ミニエントリーシートの記入→発表→GWAのエントリーシート記入→情報共有・意見交換」という流れを、その年のGWAにエントリーする仕組みにしているのです。ミニエントリーシートの共有会では、GWAでの発表を意識して、シナリオを作成して時間内で発表する方式を取っています。そこで感じた感想をお互いに伝え合い、メンバーからもらったコメントを自分で受けとめていくことに大きな意味があると思っています。GWAのエントリーシートのアレンジからスタートした事例の共有が、浦安ブライトンホテル東京ベイのプランナーたちの土台になっているのです。

 まずは、ミニエントリーシートの記入の前に、発表に向けたポイントを洗い出すというステップがあります。この段階で、それぞれのプランナーが発表会での発表案件を決めるところにも意味があります。「私はこれ!このときから決めていました!」と速やかに出してくるプランナーもいます。一方で「何も無いな」というプランナーもいます。そういう場合は、私も一緒になって1件1件を振り返ります。すると「これは〇〇の演出をやったんですよ」とか「このお客様には○○って言われたんですよ」など、反省も含めて良いことも悪いこともいろいろ出てきます。まさにこれが振り返り。これをしていること自体が、既に価値があると思いますね。もしこれをしなかったら、そのまま忘れ去られていた。そして、また同じ失敗を繰り返したかもしれない。また、良かったことも思い出すことで「自分も1年いろいろ頑張ったな」と自覚できる。これが自信・成長につながると思います。

 この実践的な活用方法を導入したのは、やはり第1回のGWAに参加したことがきっかけです。この時に初めて体験した、自身のプランニングと向き合い分析し言語化していくという過程にとても大きな意義を感じました。また、浦安ブライトンホテル東京ベイのプランナーがファイナリストに選ばれたことも、ホテル全体が評価をいただけたという想いがあり、次に向けての大きなモチベーションになりました。そこで、第2回GWAエントリー時から、こうした活用方法を実施してきているわけです。プランナーの仕事は、お客様のご要望に応じながら、次の季節、次の季節と業務をこなしているうちに、あっという間に1年が過ぎてしまいます。そんな状況の中で、GWAへのエントリーを軸としたタイミングで、いったん立ち止まり、シートなどの書面にまとめることで、自分の活動事例をしっかりとした「実績」に変えていくことができるのです。

GWAに関わることで「プランナーの成長」「現場の活性化」に、
どのような影響があるのか?

GWAに関連した活動の蓄積があるからこそ、
人に寄り添うプランニングができてくるのです。

 エントリーの発表の場は勉強会の一環なので、パートナーやサービスの貢献についても盛り込まれており、あらためて「ブライトンっていいな」と思わせてくれます。また、ベテランプランナーは若手の参考になればと、敢えて失敗や反省も交えて話してくれたりします。時には、発表の最後に「あなたにとっていい結婚式とはなんですか?」「プランナーとして大切にしていることは?」というような問いかけをして各自ボードに書きあうという試みをします。答えに正解・不正解はありません。プランナーにとって大切なのは、それを問いかけ続けることだと思います。自分で考える、それを伝える、そういう機会となっているのが、一連のGWA活動です。

 こうした活動が蓄積されてきていることで、組織としてのメリットが生まれてきていることも事実です。お客様の人生の大切な舞台であるウエディングのプランには、やはりプランナーの「人生に対する価値観」というものが出てきます。しかしながら、一人の人間が経験できることには限りがあります。でも、多くのプランナーたちが現場で体験してきたことには限りないものがつまっています。培ってきた過去の数々の事例そのものが、まさに浦安ブライトンホテル東京ベイの「生きたプランニング・バイブル」として形作られているようなものです。

 新しいスタッフが入って来た時には、この事例集をまず読んでもらっています。すると、業務の説明からでは感じることのできない、先輩プランナーたちの想いを知り、「こんな時に、こんなことを考えていたのか!」という驚きと発見が、自らの気づきを生むのです。これは、もはや一つの教育プログラム、教科書といっても良いかもしれません。昨今の若手プランナーの様子を見るにつけ、その成長度合いが早いと感じています。この事例集を読み込んできたことで、吸収力や学習能力の高い若手はグングンと伸びてきています。単にテクニックとしてのプランニングスキルではなく、「人に寄り添う力」という最も大切なことを自分の中に取り入れてきた成果であると思っています。

 GWAにエントリーすることは、ある意味では「終わった仕事」を振り返ることであり、直接的に利益を生み出すような生産性のある事ではありません。しかし、GWAを通して蓄積してきたことは間違いなく各メンバーに響き渡り、組織に好影響をもたらしていると感じています。ホテルに婚礼が入ることは、ホテルそのものが活気づき、華やいだものになります。これは目に見えない影響力を持ち、知らず知らずのうちに、浦安ブライトンホテル東京ベイのファンを育てていくことにつながるはずです。初めは、プランナーの小さな思い入れからですが、いつしか、ホテルにとっての大きな活力になっていくと信じています。

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