リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

市川 加奈子
浦安ブライトンホテル東京ベイ ウエディングプランナー
短期大学卒業後、一念発起し、ウエディングプランナーを目指して専門学校で学ぶ。
浦安ブライトンホテル東京ベイに入社後、宴会サービス、婚礼アシスタントを経て、ウエディングプランナーとなる。プランナー歴8年。
「結婚式は新郎新婦自身が自分たちの意志で創るもの」をモットーに、絶大な信頼を得る注目のプランナー。GOOD WEDDING AWARD 2015 グランプリ受賞。

ママプランナーだからこその視点と提案は、
どのような想いから生まれてくるのか。
その秘訣を探る!

GOOD WEDDING AWARDにおいても、常にファイナリストを生み出している「浦安ブライトンホテル東京ベイ」。そのエースプランナーとして、またママプランナーとして、業界内でも注目されている市川加奈子氏が目指す「幸せな結婚式とは何か」についてのお考えをお伺いしました。

トッププランナーが語る① 私の体験からつかみとった極意

打ち合わせの段階から、新郎新婦の表情やお互いの関係性など、
お話いただいた以外のことに気を配ります。

 GOOD WEDDING AWARDでグランプリをいただいた「パパママ婚の本当の幸せな創り方」のプレゼンテーションでもお話させていただきましたが、当初の「打ち合わせも、結婚式当日も、ベビーシッターを」というご希望に対して、最初は100%受け入れる体制を整えていきましたが、私自身が感じた違和感を捨てずにいました。

 それは「もしかしたら新婦は少し育児に疲れているのかな?」ということ。そこで、私自身も「ママ」であることを伝え、私の中では密かに、家族3人の喜びを感じる結婚式をゴールに決め、当日までの道のりで2人にもそれを自然と感じられるようにプランニングをしていきました。お子様の毎日の生活状況を確認し、寄り添いながら自然な流れで新郎新婦の変化を促していくよう工夫しました。そして2人からのお子様演出の希望が。「子供と一緒にウエディングキスがしたい」と。ようやく家族の絆を感じていただけるプランの実現につながったのです。このように、「ご自身の本当の気持ちに自発的に気づいていただくこと」を最も大切にしています。そのために、打ち合わせ時から、新郎・新婦の関係性をじっくり見るよう心がけています。どちらが発言の比重が高いか、発言は少ないものの何か思っていることがあるのではないか、言葉だけでなく表情や声のトーンなどにも配慮します。最初はいったんすべてを受けとめますが、その時感じた違和感というか直感的なものを大事にする。打ち合わせを重ねていく中で、気になったことをお伝えしていくようにしています。ゆっくりと信頼関係を築きながら、新郎新婦の自発的な考え方を導き出すための工夫と努力は惜しみません。

トッププランナーが語る② 私の職場における成長の秘訣

浦安ブライトンホテル東京ベイには「自由と共有の体制」があり、
オープンな情報交流が成長の原点だと感じています。

 自分の職場を自分で語るのは難しいですが、「ブライダルのためにあるホテル」だと感じることがあります。大規模なホテルではないこともあり、婚礼部門、調理部門、サービス部門、そしてパートナースタッフまで、とてもオープンに話ができますし、とにかく仲が良い(笑)ですね。お客様からいただいたお手紙やメールの情報も、1人の担当プランナーだけの情報にせず、常に情報共有できる環境にあります。もちろん月例の定期ミーティングなどで、人気の高い花や喜ばれた写真などの各論の報告はありますが、日々のコミュニケーションの中で、様々なケースを共有していますね。そのため自分が担当でない新郎新婦のプランについても、どのようなやりとりで進行中なのか、他のプランナーがお客様からの課題に対してどのように対処しているのか、どのプランナーも良く知っています。そして、そのタイムリーな情報共有こそが学びそのものであり、各プランナーの成長の原点であると感じています。最初のカウンセリングなどでも、ベースとなるヒアリングフォーマットなどはありますが、単にそこにメモを取っていくようなヒアリングはしません。それぞれのプランナーごとに「会話」としてのコミュニケーションをしっかり取らせていただくことに比重を置いています。臨機応変な自由さと共有の体制が、知らず知らずのうちに出来上がっているのだと思います。

トッププランナーが語る② 私の職場における成長の秘訣

新郎新婦がやりたいこと実現し、
自分たちが幸せを感じることができる結婚式こそ、良い結婚式だと思います。

 新郎新婦と打ち合わせをさせていただきながら感じることは、「ゲストに対してのおもてなし」「ゲストに楽しんでもらうため」という気持ちに寄り過ぎてしまい、これをやらなくてはダメ、自分たちの気持ちをあきらめてでも優先すべきもの、というような方向になっていくことがあります。でもこれでは本末転倒のような気がするのです。私が考える良い結婚式とは、まず、おふたりにとって幸せなもの、自分たちがやりたいことを最優先することだと思っています。「2人が主体でいい!」ということ。そのためには、プランナーとして向き合っているものの、あえて新郎新婦側に立って考えることを心がけています。ホテル側の目線で提案するのではなく、あくまでも新郎新婦の味方として、「おふたりにとってはこちらの方が良いですよね」という視点で商品を選ぶ、予算を考える。ホテルがおすすめの料理やブーケなどについても不要だと感じれば、はずしていく。そして、気づいたらおふたりにピッタリのプランとして仕上がっていたというのが大切ですね。それが結果的にゲストの方々のためにもなるのです。新郎新婦の幸せそうな姿こそがゲストの喜びなのですから。私達ウエディングプランナーの仕事は、「2人が主体」というストーリーの背中を押してあげること。満足感の高い式を挙げていただき、もしも、「市川さんのおかげです」と言っていただいた時にも、「私は笑ってお話しただけですよ」と返していきたい。結婚式はプランナーに言われて創るものではなく、新郎新婦自身が自分たちの意志で創るもの。プランナーはその「道しるべ」のような存在だと思っています。

市川さんのお話しを伺って

担当研究員金井 良子(カナイ ヨシコ)

寄り添いながら、「ふたりらしさ」に導くのが市川スタイル!

 ゆっくりと包み込むような、あたたかな話し方で語ってくださった市川さん。
何を言っても一度受け止めていただける安心感に、私までどんどん素直になっていくのを感じます。「本当に新郎新婦が望むもの」は、言葉通りを受けとるのではなく、その深層にあるものを読み取る努力が必要ですが、市川さんはそこで「ふたりの関係性をみる」とお話されたのがとても大きなヒントになると思いました。結婚式を通じて”ふたりの関係がどうなって欲しいか”を真剣に考えているからこそ、結婚式当日までじっくりとふたりに寄り添い、導けるのでしょう。「人が好きだから、この業界を選んだ」という言葉に、その原点があると感じました。

この記事をシェアする

About us ブライダル総研について
「リクルート ブライダル総研」は、恋愛、結婚、家庭生活全般に関する調査・研究、未来への提言を通じて、ブライダルマーケットの発展と社会課題の解決に貢献することを目的として活動しています。