リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

Wedding フェス 2016 【RISING 松井 SUN】

プランナーが結婚式の本質を見失わず、
諦めなければ結婚式の可能性は無限に広がる

畑 英志(はた ひでし)さん
ホテルクラウンパレス知立(愛知県)

昨年より婚礼部支配人として現場に着任。現場では愛妻家として有名だが、趣味は結婚式と言い放つほど、日々の生活がブライダルに直結している。そのため、最愛の妻は呆れ返っていることが最近の悩みの種。

プランナーの無責任な一言から始まった前代未聞の結婚式

 「野外フェスします?結婚式風の」。今回ご紹介する結婚式は、プランナーの無責任なひと言から始まりました。「ハワイでの挙式だけで済ませる予定だったけど、『披露宴はやった方がいい』と友達に言われたから…」としぶしぶ来店された二人。結婚式に対しては、「かしこまった感じがいイヤ、お金がない」とのイメージをお持ちでした。新婦は、明るくハキハキとした性格、フィリピンのスラム街でボランティアした経験を経て、現在はヨガインストラクターに。新郎は、縁の下の力持ちという言葉が相応しい、穏やかな印象の方でした。二人の共通の趣味は「野外フェス」。二人が結婚式に興味を持つには?思いついた提案が「結婚式風野外フェス」だったのです。予想外の提案に驚いた二人でしたが、「面白そう!」と乗り気になっていただけました。
 テーマ名は、新郎が呟い「RISING 松井 SUN」。太陽の下で楽しく明るく、元気よく!楽しいことが大好きな二人にぴったりです。とは言え、ホテルの屋内で野外フェス、自己負担金50万円、前代未聞の難問が私に立ち塞がります。

開放的で自由な空間が大好きな二人。挙式後はゲストの方々から「二人らしい結婚式を作ってくれてありがとう」という言葉をたくさんいただきました

コンセプトウエディングで見えたこれからの結婚式

 金銭面の対処法として、衣装・美容・司会者・カメラマンをご友人に依頼。不足分は、マスコミに取り上げてもらう“パブリシティ”を利用することで、“宣伝活動費”として社内を説得しました。地元のマスコミに企画書を送ったところ、テレビ局1社、新聞2社から取材依頼が。これで金銭問題はクリアです。
 野外フェスの開放感を屋内で表現するアイテムとして使ったのがドローン。外で飛び回るものが、室内を飛び回ることで、開放感を目に見える形で表現したのです。メインテーブルは外し、食事はブッフェ形式で人の流れを自由に。ステージ上ではアーティストのパフォーマンス、さらには物販コーナーを設けることで、野外フェスらしさを演出しました。
 結婚式当日は、ゲストも床に座り込み、新婦もヒールを脱ぎ捨て、動き回る…。まさに、野外フェスさながらの盛り上がりでした。
 「結婚式をした方がいい理由」この答えをプランナーが見失わなければ、どんなイベントも必ず結婚式になります。だとしたら、結婚式はもっと自由でいい。その自由の先に無限の可能性が広がると、私は信じています。

二人の写真を天井から吊る、旅行鞄で見せるなど開放感、二人を連想させるモチーフを使った空間ディスプレイ
野外フェスの臨場感を出すため、ロゴ入りのオリジナルアイテムを作成。手ぬぐい・うちわ・ステッカーなど

現場のスタッフと共に模索する理想のプランナーを目標に

 我々責任者は保身のため、理想とかけ離れた事をスタッフに押し付け、大事なことを諦めさせてしまいがちですが、本当にすべきことは、スタッフとともに苦しみ、理解し一緒に解決方法を模索すること。提案力があって、自分達の思いを汲み取り、それを実現するために諦めない。そんなプランナーになるべく日々精進しています。

審査員の目

「なぜ結婚式をした方が良いのか?」こんな問いからプレゼンテーションは始まりました。この問いに畑さんのプロ意識が集約されていると感じました。その「価値」をぶらさなければ、旧来の「結婚式」のカタチにこだわる必要はない。軸がしっかりしているからこそ実現できたチャレンジであり、新しいカタチを生み出したのだと思います。

ウエディングを進化させる