リクルートブライダル総研は、結婚に関する調査・研究、未来への提言を通じて、マーケットの拡大と社会課題の解決に取り組みます。

「プランナー対談」プランナーとして大切な資質とは、ケースに対応した「バランス感覚」。そして、ON とOFF の「切り替え力」。

フリーランス・ウエディングブランナー 岡村 奈奈様、地域活性化ウエディングプランナー 山本 恵様、インタビュアー:リクルートブライダル総研 所長 鈴木直樹(※本文中は敬称略)

様々な経験を積み、
フリーウエディングプランナーとして活躍する
お二人が描くブライダル業界の未来とは?

今回の対談は、ブライダル業界の中でも注目を集めているフリーウエディングプランナーのお二人。
業界内でフリーランスとしての仕事の基盤が確立されていない時代から、試行錯誤とチャレンジ精神で道を切り開かれてきました。
その経験があるからこそ見えてくるブライダル業界の変化、これからのプランナーに求められる資質、フリーランスとしてやっていくための秘訣など、興味深いテーマについて、ざっくばらんにお話いただき、ヒントになる体験談や心に響く言葉の数々が飛び交う対談となりました。

最近のカップル、カスタマーの変化について日頃感じていることとは?

鈴木
今回の対談は、業界内からも注目されている「フリーランス・ウエディングプランナー」として活躍されているお二人です。
豊富な経験を持つお二人から見て、現状感じておられるカスタマーの変化、ブライダル業界の抱える課題などについて、独自の視点からお話いただきたいと考えています。
まずカスタマーの変化という点では、最近の特徴的な変化や、変化を感じるシーンなど、どのようなことがあると感じていますか?
岡村

▲フリーランス・ウエディングプランナー
 岡村 奈奈 様
「カスタマーの変化」で言えば、変化はずっとしていると思います。
過去の象徴的な変化の例では「貸し切り」というスタイルが始まったことなどがありますが、集客や会場の方式は常に変化し続けてきているのだと思っています。
どちらかというと業界の「変化の捉え方」が鈍ってきていると感じています。
私自身、振り返れば、様々な変化に必死に食らいついてきましたし、勉強と緊張の連続だったと言えます。
そういう視点で周りを見渡してみると、ここ2~3年はそんな必死さもあまりないな…とさえ感じてしまいます。
お客様の情報収集力が高まっている状況の中、こちらが歩み寄ることも増えてきました。
そうなると単にブライダルの専門性だけではなく、まさに社会人、仕事人としてのコミュニケーション力や対応スキルが問われているように思いますね。
山本
地方の状況で言うと、もともと「東京でレストランウエディングが流行っているけど素敵だからやってみたい」といような相談からのスタートだったものが、最近では「結婚式がはずかしいからやりたくないけど、どうしたら良いか?」「参加者12名しかいませんが、ちゃんとやりたいのですが…?」「予算をかけたくないのですが…」というような、どちらかというとマイナスからの相談事が増えている傾向もあります。
また、親御さんから「顔合わせはどうしたら良いか?」「結納はするべきなのか?」というような昔ながらの方式について聞かれたりもします。
そうなると新郎新婦への対応だけではなく、周囲の方々へのフォローもしなくてはならないという実情もあります。
連絡などのコミュニケーション方法も、LINEであったり、メールであったり、パソコンであったりとお客様によって別々の方法で対処しなくてはなりません。
個々のプランナーの負担度は上がっているように思いますね。
ある意味では、業界全体でフォローしていく施策も無いと、結婚式そのものをやめていくカスタマーが増える傾向にもなりかねません。
鈴木
なるほど。
そうした状況の一方で、いわゆる「インスタ花嫁」に代表される「あれやりたい、これやりたい」という情報感度の高いカスタマーも増えている状況だと思いますが、どのように対処することを心がけていらっしゃいますか?
山本
確かに情報量は持っています。
例えばヘアメイクの写真などは、フォルダーにまとめてすごい数をためている方もいますね。
岡村
私に相談に来るプランナーでも「インスタ花嫁」が苦手という人も多いですが、私はあまり意識していません。
というのも、情報を点で見ているので、そうした素材となる点をつなぐことを考えていない場合が多いからです。
世代で一括りにしてはいけないかもしれませんが、ケイタイやスマホでレポートを書いた人たちは何しろ画像をプリントアウトしないんですよ(笑)。
だから私はあえて、良いと言っている素材をすべてプリントアウトして目の前に並べてあげる。
そうすると、好きなものの傾向が見えたり、やりたいことが見えてくる。
必要ないものや現実的でないものも自分たちで気づくことができるんです。
先回りして「できない」「やらないほうがいい」と言うよりも、ずっと納得できるし、私たちも本当にそれが良い判断なのか一緒に考えられます。
お客様の良いという1枚の写真から、こちらがどう解釈して、全体像をリアルに伝えてあげられるかが大切なポイントだと思います。

今のカスタマーに合わせて、注意していることとは?

鈴木
先ほどの「プリントしない世代」に通じる話をもう少し広げていきたいのですが、今のカスタマーに合わせて注意していることや、こんな対応を実践しているということは他にもございますか?
山本
もう一つの顕著な例としては、最近の方はメモを取らないですね。
話し合ったことをその場でメモらないので、こちらで箇条書きにして整理してあげています。
今日話し合ったことのポイント、次回やること、というようにまとめたものを渡すケースは増えています。
鈴木
先ほどの話も含めて考えると、お客様の意図を解釈して伝え方を変えることや、話し合いの内容を整理してあげながら打ち合わせしていくなど、接客時間はどうしても長くなっていってしまいますよね?
岡村
それはありますが、総じて集中力が保てないことが多く、2時間以上の打ち合わせはしないようにしています。
メモの代わりに、私が書いたものをスマホのカメラで撮るとか、逆にインターネットなどの画面を使って、「このページを見て次回までに選んでおいてください」というように具体的な宿題を持ち帰ってもらっています。
鈴木
お二人のお話で共通することは、プランナーの役割として「伴走力」が必要になってきているという点ですね。
カスタマーの多様性、特性のバリエーションが広がっていく中、ますます注力しなくてはならないことは何でしょうか?
岡村
私は「距離感」を大切にしています。
それぞれのお客様との距離感の見極めにはとても気をつけていますね。
お客様の職業や、ライフスタイル、たとえばスピード感優先の方なのか?とか、会話はLINEのみ!だとか、タイプという言葉では言い尽くせないものですが、この方はどういう好み・志向をお持ちなのかという点ですね。
それを把握した上で、入り込み過ぎないように配慮しています。
私は性格的には入り込み過ぎてしまうところもあるので、いい意味でドライであることも必要だと考えています。
山本
私は逆に、普段おおざっぱと周りから言われるので(笑)、お客様に対応する際には、集中力をアップさせて意識的に入り込むようなバランスの取り方もしますね。
前回までの打ち合わせの内容をしっかり把握し、お客様ごとの個別対応を深めていくように工夫してます。
鈴木
プランナー側も自分自身の性格というか個性に応じて、顧客対応を工夫していくことが大切なのですね。
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